2025年5月9日(金)〜11日(日)にかけて開催された第33回 英日・日英翻訳国際会議(IJET-33)@福岡に参加してきました。
主催は日本翻訳者協会(JAT)。年に一度のこのイベントには、毎年国内外から多くの翻訳者が集まり、今年は約250名の参加があったそうです。
今年は全22セッションが実施され、特許翻訳・法律翻訳・文芸翻訳・AIとの向き合い方など、幅広い分野の知見を得ることができました。
翻訳会社やツール開発者とのネットワーキングの機会もあり、久しぶりに顔を合わせる翻訳仲間との再会も楽しめました。
特許翻訳セッション:実務に直結する内容が満載
特許翻訳に関しては、Thomas Kaiser氏によるプレゼン「Patent Translation: First Steps―特許翻訳のイロハ」に参加。
これから始めたい方から、ある程度の経験者まで幅広く参考になるセッションでした。
主な内容:
- 特許とは? 明細書の役割とは?
- 各国の出願動向とその背景
- 特許関連の翻訳・通訳の種類(出願、中間処理、訴訟、要約書など)
- 米国出願に関する基礎知識
- 翻訳メモリやCATツールの活用法
- 実務Tips
- 仕事の獲得方法
印象に残ったポイント
● 仕事の獲得方法
- 独立当初、60社以上に履歴書を送って仕事を獲得
- JATイベントでのネットワーキング活用
- 「パテントサロン 求人スクエア」のチェック
- LinkedIn経由での仕事の声がけも期待できる
● CATツール活用
- 無料で使いやすい「OmegaT」
- 一部案件では「Trados」(有料)が必須
- 「LF Aligner」を使って公報対訳から翻訳メモリを作成→実翻訳で活用
● 実務Tips
- 論理の一貫性(Logic)を常に意識
- 動詞の時制に注意
- 用語選定・訳語統一の徹底
次回予告
次回のIJET-34は、オーストラリア・メルボルンのRMIT大学で開催予定とのこと。
興味のある方は、今からチェックしておくとよさそうです。