講演の資料作りにあたって、「プラバスタチンナトリウム事件」(PBPクレーム事件)の二つの事件の、各審での判断を表にまとめてみました。やっと全体像が理解できました…。
事件 | 請求・争点 | 第一審(東京地裁) | 控訴審(知財高裁) | 最高裁 | 備考 |
第1事件(1204号) ・原告:テバ ・被告:協和発酵 |
★請求:製造・販売の差止め。 ★争点:被告製品が特許の構成要件を充足するか? |
★不充足。 (∵製造方法に限定解釈。被告製品はクレーム中の製造方法を充足していない。) |
★不充足。 (∵製造方法に限定解釈。被告製品はクレーム中の製造方法を充足していない。) ★なお、無効理由あり。(∵進歩性なし。WO 00/46175 (乙30)。) |
★差戻し。 (∵「物」の発明なのに、クレームに「製造方法」が記載されている場合、「不可能・非実際的な事情」がない限り、クレームが不明確である!) |
★無効審判 ・訂正認容 ・無効不成立 |
第2事件(2658号) ・原告:テバ ・被告:東理 |
★請求:輸入・販売の差止め。 ★争点:特許が無効かどうか? |
★無効理由ありのため、特許権を行使できない。 (∵進歩性なし。WO 00/17182 (乙5)。) |
★無効理由ありのため、特許権を行使できない。(∵進歩性なし。WO 00/46175 (乙13)。) ★なお、上記判断をするにあたり、製造方法に限定解釈。 |
★差戻し。 (∵「物」の発明なのに、クレームに「製造方法」が記載されている場合、「不可能・非実際的な事情」がない限り、クレームが不明確である!) |
★第1事件の第一審判決:
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/132/080132_hanrei.pdf
★第1事件の控訴審判決:
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/969/081969_hanrei.pdf
★第2事件の第一審判決:
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/533/081533_hanrei.pdf
★第2事件の控訴審判決:
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/490/082490_hanrei.pdf